狛村隊長 コスプレ用パーツ 作成レポート

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 1.まずは発端 2007年3月31日
 
 登場キャラ紹介
     製作者BFN。 黒猫。 近況として組合の選挙応援活動のせいで土日の時間が取れないでいる。
     謎の一ノ関リザーバー MYSTAR-F。 三毛猫。 モンコレやってる人でないとわかりにくい。
     今回の依頼人(って書くと某鑑定番組みたいだ)Yさん。 虎猫。 関西在住。 東北は遠いで。
 注:メールの内容は抜粋、省略、概略化してあります。意訳としてお読みください。
 
 
   それは1通のメールからだったのです・・・
 いや・・ そんな語り口調しなくて良いから。
 んじゃ普通ーに。 このサイトを見たという"Yさん(仮称)"から、「あの鉄笠とか狛村隊長の腕、肩のパーツは
   創ってもらうことはできないでしょうか?」 とのこと。 着信3月31日で気がついたのは4月2日でしたが。
 フリーメールだからって、普段からチェックしてないからねぇ。
 
 
 
 
 2.仕様相談 2007年4月6日
 
 まずは、どういうものを作るかのご相談から。  気をつけなければいけないのは、「認識の違い」。
   製造業務などでは良く起こることですが、Aが○と思って説明しても、Bが●と思うことのように、
   言葉での説明不足によって互いの認識に「ズレ」が発生して、後々トラブルに発展したり、顧客満足が得られないことがある。
   誤解の無い(少ない)文書等の記載物や、綿密な打ち合わせが大切です。
 今回はメールが伝達手段の主だよねぇ。
 そですね。 それと直接触っての採寸ができないことも大きな問題点でした。
 どったの?
 
採寸1  今回は、こんなふうに5cm平方の方眼紙のデータを
   Yさんのところで印刷してもらって、
 私のほうで、この方眼紙が写りこむように
   正面と側面の写真を撮って、メールに添付して送り、
 
採寸2  あっしの方で、画像を元に縮尺を出します。
   上からの上面画像も欲しいとこだけど、
   撮影自体難しいので今回はパス。
 
   このサイズを元に型紙を作ってみます。
 
 仕様の方はどうやって決定したの?
 えーと、こういった作成依頼は初めてとのことでしたので(あっしも他に依頼したことはありませんが)、
   大枠で予算決定の内訳を説明して、ちょっと具体的な例を価格を添えていくつか提示して、参考にしてもらう。
   んでもって大雑把な仕様を決定してもらって、オプションの検討 といった流れですかね。
 今回はライオンボード主材、分解ギミック有り、塗装有り、肩・腕パーツ含み、
   オプションとして目の部分に黒い透過パーツを入れてもらうように頼んでます。
 本当は、このほかに最低2回は型紙と完成前パーツをやり取りして「合わせ」をやるんですが、送料もバカにならないので
   上記のような採寸を頼りに1発勝負です。
 服飾系ならS・L・Mとか、採寸箇所のお約束とかあるんで、寸法どおりには作れたりするけど、 こういうアーマー系は
   難しいところだね。 ホントに大丈夫か?
 まずは型紙組立までやって、シルエットを見てもらう。 本見積もり出して。 納得してもらったら作成。  という流れで。
   土日を会社の組合での選挙活動や、モンコレの大会運営。 それに、天鎖斬月ver2.0も同時進行で 大丈夫か? 俺?
  自分で言うな!
 
 
 
 
 3.型紙作成 2007年4月16日
 
鉄笠・型紙1  お仕事の出張の合間に作業をやろうとすると、
   「気力ゲージ」が低いままですよ こんにちは。
 どういうあいさつだよ・・。
 ずいぶん間が開いてしまいましたが、
   一旦 鉄笠の型紙完成です。
 えーと、もしかして前回よりでかい?
 んですね。 全高でトータル10cmほど長くなってます。
   当然その分末広がり。
   比較で45cmのスケール置いてみました。
 
 でも・・・前回の採寸画像見る限り、
   これじゃ小さすぎない?
 
鉄笠・型紙2  んですね。でも実は、方眼紙が被写体より奥にあるため、
   実際の方眼の長さはもっと長いはず。
   と、言うわけで、方眼と被写体の距離がわからないので、
   採寸の85%の長さをメドに作ってみました。
   もちろんYさんへの確認と、耳元にスケールを置いた画像の
   再送付をしてもらってます。
   最初からそうしてもらうべきだったか?
 難しいところだね。
 全長で45cmくらいなら、大丈夫だと思います。
 というわけで、外形はコレを採用ということで。
   次は肩・手甲の検討ね。
 
 
 
 
 4.手甲構造検討 2007年4月23日
 
手甲参考  選挙期間もやっと終わって、次はメーデーですよ
   こんにちは。
 ・・・・。
 あ、無視された。別に良いもん。
 さて、手甲パーツですが、流水さんが使ってたヤツを
   参考に見せてもらいました。
    全体的に合皮でコットンを包んだもので、
   形状を縫いつぶしで出していますね。
 基本的に縫製ものはやらないんだよね?
 んですね。 ミシン壊れてから買いなおしてないし。
   というわけで、手甲パーツもライオンボード主体で。
 
手甲試作1  まずは、どういう構造にするか試作。
   工作用紙で試行錯誤しつつこんな感じで。
   構造のみ検討だから、造りはお粗末だけどね。
   折り曲げしてあるところは曲面加工にする予定で、
   筒状になっているところを絞る形で腕に固定っと。
 肩パーツはあまり問題なさそうだから
   ぶっつけ本番でやると。
 そこまで自信過剰じゃない。
   でも、型紙は最低限で良いかな。
 
手甲試作2  って訳で、構想をお伝えしてお問い合わせ。
 
 良い感じですね。そのままで作成お願します。
 んでは見積出しますんで、折り合いがついたら
   作成開始します。
 
 
 
 
 5.お見積 2007年4月27日
 
 仕様が8割がた決定しましたので、正式見積です。 気をつけたポイントは
   (1)好みの分かれるところで、何種類かの仕様分の見積をだす。
   (2)見積ごとの違いを文言上に明確に示す。
   (3)不明確な部分は、文章で見積除外にしっかり書いておく。
   といったところ。 今回はモールド有無で2種類、送料等は含まずで出してます。 納期も忘れずに。
 今回はモールド有りの方でお願いします。 納期はやいですねぇ。
 連休中の作業頻度向上も見越しての納期ですんで。 んでは、正式発注いただきましたということで、本格的に作業に入りま。
 塗装含まずならなんとかできるかな?
 
 
 
 
 6.材料調達〜納期延長 2007年5月4日
 
 えー・・・・・・  現4月29日の段階で、納期守れなくなりました。
 早っ!!? なにやってんの!
 前にも書きましたが、ライオンボード(デコソフト)は岩手県では売っているところが非常に少ない上、厚さとかの種類も無いっす。
   んでもって、盛岡ではホーマックの1店舗で扱っていたのですが・・・・
   その店の4月の商品調整で、クラフトコーナーが縮小されたらしく = ライオンボードの商品陳列が無くなりました。
   結果、ライオンボードの入手がほとんどできなくなったという・・・。
 不測の事態ってやつか。 零細は弱いのぅ。
 ってなことで、一から別材料で検討するのは現状得策ではないので、材料入手経路新規開拓まで待ってもらいました。
 わかりました。 遅くなっても大丈夫ですので、よろしくお願いします。
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 色々調べて見たところ、他の工作者も都心部以外は結構ライオンボードの入手には苦労してるみたいです。
   通販を取り扱っているところは 東急ハンズはじめいくつかあったんですが、品揃えとか数量とか制約いっぱいです。
   最終的には、小ロットでは扱っていませんでしたが、安定供給源も見据えて「製造元」に直接頼んでみることにしました。
 うわ〜・・・ 2枚入りとかは解るけど 5x925x1835mm 24枚入りで1ロットってなんだよ・・・・
 
 
 
 
 7.材料調達〜入手 2007年5月13日
 
ライオンボード到着  モンコレの大会終わって帰宅したら届いてました。
   ・・・・・でかいです。 イメージとしては"幹"ですな。
   思わず全体撮影しちゃいました。大きさ比較はビデオテープです。
 せめてあと2日早く来てくれれば土曜日に作業できたのにね。
 しかも発送通知無しに、いきなり送りつけてきましたよ。
   それって企業としてはいかがなものかと。
   愚痴ってもしょうがないですが。
   とりあえずは、やっと作業できます。
 
 
 
 
 8.腕・肩パーツ 2007年5月19日
 
肩設定  さて、天鎖斬月ver2.0の方が塗装段階に入りましたので
   こちらも再始動です。
   腕パーツである手甲は、もうデザインくるくる変化するので
   割り切りますが、肩の方は大きく2種類(←)。
   前期形と後期形とでも呼称しましょうか。
 アニメ版は一貫して前期形みたいだね。
 そですね。 鎧の一部と考えれば後期形の方が
   正しいのだろうけど、今回は前期形を基本に作っていこうかと。
 
切り出し  肩と腕は左右対称なので、基本的に型紙は1個ずつです。
 左用の型紙を裏返せば右用になるってー寸法だね。
 肩は固定形状なんで、最低限のもので済ませますが、
   腕は「手首の可動」「腕周りサイズの可変andフィット」を
   ある程度満足させねばならんので、先に作ったものより
   もうちょっと精緻な型紙を作ってます。
   塗装と接着の手順も考えないとね。
 剥れるから塗装の上から接着はできないからね。
 
肩ロース(嘘)  肩パーツ仮組み。 モールドはまだ接着してないので
   曲げ加工と大きさの確認をしてます。
 この状態だと、まだイメージはわきにくいね。
 
テビチ(嘘)  手甲仮組み状態。
   一番良いのは肘までのロンググローブに貼り付ければ
   関節とか気にしなくても良いんだけど、
   それやると+5000くらいの予算オーバー。
   今回は関節の動きは犠牲にして形状のみ追求で。
 確かにこれだと腕の「ひねり」には対応できないね。
 加えて、このあと肘辺りの形状に変更入れてます。
 
 
 
 
 9.仮組み 2007年6月3日
 
切り出し  土日出張が入ったので進めなかった分
   一気に切り出しと成形までやってみました。
   腕パーツは、やり直しが1回入ってます。
   ・・・無駄作業は無くさないと。
 パーツが山盛りだね。
 畳1枚分のライオンボードが みるみる減ってくんですよ。
   自分でやっててちょっと感覚が異常でしたもん。
 
仮組み  曲げ加工して仮組みした状態。
   比較対象として中央に45cmスケールを立ててみました。
   この段階では細かいモールドと後頭部パーツは組んでません。
 ・・・・結構でかいね。
 大きさ自体は型紙段階から変わってないよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 10.作成断念〜進路変更 2007年10月28日
 
 えー・・・・・・  長らく空いてしまいましたが、掲示板等でちょこちょこ書き込んでいたように製造環境というより
   仕事のほうが異様に忙しくなりまして、ついに一時期ではありますが住むところまで変わってしまったという・・・
 3ヶ月の長期派遣・・・自宅じゃないと大物は作れないしねぇ。
 最寄のホームセンター類3箇所ほど回ってみましたが、結構大きいところもあるのにクラフト類の材料が異常に少なかったという。
   なんといっても土地柄なのか敷地の半分は園芸関係だったのが印象的でした。
    なんにせよ、12月に自宅へ帰還するまで ほとんど何も作れない状況になってしまいました。
 またも不測の事態ってやつか。 すでに他にも依頼が来てるんでしょ? どうすんの?
 とりあえず 他の依頼は引き受けたわけではなかったので、狛村関係以外はお断りの連絡させていただきました。
   Yさんにはメール連絡させていただいたんですが返信来てないっす。
   というわけですので、 Yさん このレポ見てたら連絡ください。 誠に申し訳ありません。
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 結局のところ手を広げようとしてキャパオーバーしてしまったわけです。
   これは受注生産の方向、製造負荷の割合、今回の反省点を踏まえて色々考えるべきことが 顕在化したといっても良いでしょう。
   福島県出張はTVも無いアパート暮らし環境なので考えるには良い機会かもしれません。
 次回基本方針の考え方ということで。
 
 今回の分、ほぼ丸ごと赤字決済ということで
 できてもいないし、ずいぶん迷惑かけたからあたりまえでしょ。
 
 
 




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